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レトンウッズ体制のもとでは、租税負担によって資本が移動することを阻止する権限が国民国家に与えられていた。そのためにブレトンウッズ体制のもとでは、生産要素の移動に煩わされることなく租税政策を展開することができたのである。
国民国家が租税負担による資本逃避を規制できるとなると、高所得を形成する資本所得への課税の強化が可能となる。そのためには法人税や累進所得税という所得再分配機能や経済安定化機能に優れている租税を基幹税とする租税体系の形成が可能となったのである。
3.政府機能配分
しかし、ブレトンウッズ体制のもとでは、所得再分配機能や経済安定化機能は連邦財政主義(fiscal federalism)が主張するように、中央財政の機能として位置づけられることになる。というのも、所得再分配機能や経済安定化機能は資本移動を統制する権限を持っていることが前提となる。
ところが、地方政府には資本の移動を統制する権限を持っているわけではない。それどころか、地方政府は国境を管理しないオープン・システムの政府であるため、労働も自由に入退出することになる。そのため地方財政には所得再分配や経済安定化機能を担いえないと理解されるようになる。つまり、地方財政は公共サービスを供給するという資源配分機能だけを担い、所得再分配機能や経済安定化機能は中央財政の任務として想定されることになる。
法人税や累進所得税のような所得再分配機能や経済安定化機能に優れている租税は、当然のことながら、国税として課税されなければならない。国境を管理せずに、資本移動を統制することもできない地方政府には、そうした租税を課税することはできない。そのため経済的能力に応じた租税は、国税に設定すべきであるという税源配分原則が確立していくことになる。
4.税源配分原則
国税と地方税とを、どのように配分するかという租税原則は、二つの基準から主張されてきたといってよい。一つは課税客体の移動性という基準である。地方政府は国境を管理しないオープン・システムの政府であるため、地方税には課税客体の移動性の低い租税が望ましい。逆に、課税客体の移動性の高い租税は、国税に配分することが整合的だということになる。
こうした基準からすると、生産物市場での取引に課税する間接消費税は、生産物市場を転々する生産物の取引という移動性の激しい課税客体に課税するため、国税に配分することが望ましい。土地のように移動性の低い課税客体に課税する租税は、地方税にこそ相応しい。所得税は土地と生産物との中間に、移動性が位置づけられるような人の所得に課税するため、中間レベルの地方政府の地方税に配分すべきだということになる。
もう一つの税源配分原則は政府機能を基準とする。既に述べたように、法人税や所得税のように所得再分配機能や経済安定化機能に優れた租税は、所得再分配機能や経済安定化機能を中央政府が担うため、国税に配分すべきとだという税源配分原則である。つまり、経済的能力に対応して能力原則にもとづいて課税される租税は、国税に配分すべきだと主張されることになる。
これに対して公共サービスの供給という資源配分機能を担う地方財政に相応しい租税は、供給される公共サービスの利益に対応して課税される利益原則にもとづく租税だということになる。つまり、国税には能力原則、地方税には利益原則、あるいは国税には人税、地方税には物税という税源配分原則が主張される。しかも、こうした政府機能を
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